キミニネガウ 2 Shinichi-13
ちらりと、時計をみやる。
十時を少し回ったところだった。
もうそろそろ、服部が来る頃だろうか。
そんなことを思いながら、掃除機を止めた。
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ちらりと、時計をみやる。
十時を少し回ったところだった。
もうそろそろ、服部が来る頃だろうか。
そんなことを思いながら、掃除機を止めた。
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『分かってるよ』
不安と怖さに怯えた心が溶かされるように。
どこか呆れて、しょうがないというような工藤の声は、じんわりと俺の身に沁み込んでいった。
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「あのさあ。何が、そんなに不安なんだ?」
「工藤。お前――」
見抜かれた。
取り繕う間もなく、つい反射的に、ごくっと息をのんでしまった。
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バタンッと、ドアの閉まる重い音が響いた。
ドアが部屋と外とを遮断するのを確認した俺は、小さく息をついた。
服部は、一体何を不安がっているのだろうか。
これぐらいの怪我は、ある意味日常茶飯事のはずで、怪我で心細くなっているなどと言う事はないと思うのだが――。
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薄暗闇の中にいた。
どこかからの帰り道なのだろうか。目の前には道がまっすぐ続いている。
そこは、知っているようで知らない場所で。
そんな違和感を感じながら、俺は工藤と二人並んで歩いていた。
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何が、離れたくないだよ。
つったく、図に乗ってボタンまで外しやがって。
それに――。
今も、首筋にかすかに残る痛み。
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ふんふん、と少し調子の外れた鼻歌が聞こえていた。
小さなキッチンでコンロに向かい、工藤がフライパンを操っている。
結局キッチンに立つ事になった工藤だが、その姿は様になっていたし存外楽しそうに見えた。
俺はゆっくりと横向きに寝返ると、工藤の姿を、ただじーっと見つめていた。
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「……そう簡単に、許してなんてやらねーよ」
ポツリとつぶやいた俺に、服部は苦い笑みを浮かべた。
それでも、そんな答えが返ってくる事は想像していたようだった。
「工藤。こういう時は、嘘でも『分かった』っちゅうもんやで?」
「嘘じゃ、意味ねーだろ」
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「…俺んち、て…。それ、工藤んとこに、住んでええてこと…?」
「他にどんな意味に聞えたんだよ」
「あー…いや、な。工藤、ほんまにええの?」
「二度は言わねーよ」
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