キミニネガウ 2

キミニネガウ 2  Shinichi-13

 ちらりと、時計をみやる。
 十時を少し回ったところだった。
 もうそろそろ、服部が来る頃だろうか。
 そんなことを思いながら、掃除機を止めた。

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キミニネガウ 2 Heiji-13

『分かってるよ』

不安と怖さに怯えた心が溶かされるように。
どこか呆れて、しょうがないというような工藤の声は、じんわりと俺の身に沁み込んでいった。

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キミニネガウ 2  Shinichi-12

 ようやく、服部が俺の荷物に気がついた。
 ったく。
 遅すぎだっつーの。

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キミニネガウ 2  Heiji-12

「あのさあ。何が、そんなに不安なんだ?」
「工藤。お前――」

見抜かれた。
取り繕う間もなく、つい反射的に、ごくっと息をのんでしまった。

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キミニネガウ 2  Shinichi-11

 バタンッと、ドアの閉まる重い音が響いた。
 ドアが部屋と外とを遮断するのを確認した俺は、小さく息をついた。
 服部は、一体何を不安がっているのだろうか。
 これぐらいの怪我は、ある意味日常茶飯事のはずで、怪我で心細くなっているなどと言う事はないと思うのだが――。

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キミニネガウ 2   Heiji-11

薄暗闇の中にいた。

どこかからの帰り道なのだろうか。目の前には道がまっすぐ続いている。
そこは、知っているようで知らない場所で。
そんな違和感を感じながら、俺は工藤と二人並んで歩いていた。

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キミニネガウ 2  Shinichi-10

 何が、離れたくないだよ。
 つったく、図に乗ってボタンまで外しやがって。
 それに――。
 
 今も、首筋にかすかに残る痛み。

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キミニネガウ 2   Heiji-10

ふんふん、と少し調子の外れた鼻歌が聞こえていた。
小さなキッチンでコンロに向かい、工藤がフライパンを操っている。
結局キッチンに立つ事になった工藤だが、その姿は様になっていたし存外楽しそうに見えた。
俺はゆっくりと横向きに寝返ると、工藤の姿を、ただじーっと見つめていた。

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キミニネガウ 2  Shinichi-9

「……そう簡単に、許してなんてやらねーよ」
 
 ポツリとつぶやいた俺に、服部は苦い笑みを浮かべた。
 それでも、そんな答えが返ってくる事は想像していたようだった。
 
「工藤。こういう時は、嘘でも『分かった』っちゅうもんやで?」
「嘘じゃ、意味ねーだろ」

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キミニネガウ 2   Heiji-9


「…俺んち、て…。それ、工藤んとこに、住んでええてこと…?」
「他にどんな意味に聞えたんだよ」
「あー…いや、な。工藤、ほんまにええの?」
「二度は言わねーよ」

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