« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月

キミニネガウ 2  Shinichi-2

 
「ほな、またな」
 
 そう言って、軽く手を振りながら帰って行った服部の背中を見送った俺は、小さく息をついた。
 
 さっき。
 服部は、俺が浮かない顔をしていた、と言った。
 あの会話の流れから推測するなら、服部はそんな俺を気にして、ココに来たということだろう。

続きを読む "キミニネガウ 2  Shinichi-2"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キミニネガウ 2   Heiji-2

「ちゃんとなー。工藤の事考えたんやで」

がさごそとビニル袋から買ってきた弁当を出して、テーブルの上に置いた。
ついっと顔をあげて、キッチンにいる工藤に声をかける。

「何をだよ」

たいして興味無さそうに聞き返した工藤は、いつもの一瞥をくれて、冷蔵庫へ手をかけた。
俺は後を追うように、キッチンへ足を踏み入れる。

続きを読む "キミニネガウ 2   Heiji-2"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キミニネガウ 2   Shinichi-1

「ったく。なに考えてんだよ、あいつ……」

 普通、男相手に、こんな事しねーだろ。

 そんな事を思いながら、すっと、梳かれた髪に触れた。
 服部の手の感触が、まだ、そこに残っているような気がして、ほんの少し体温が上がった。
 くしゃりっと前髪をかきあげた俺は、服部のまがって行った辻をちらりと見やる。
 すると、まるでこちらなど気にならないというように、足早に去っていく服部の背中が見えた。

続きを読む "キミニネガウ 2   Shinichi-1"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キミニネガウ 2   Heiji-1

辺りの気配がざわついた。
複数の足音と声が入り乱れ、静寂を掻き乱す。

走っていた足をぴたっと止め、混ざる気配の動きを探る。
次第に近づきながら集まる音を耳に拾い、再び足を動かした。

転がった何かを、ひらりっと飛び越える。
膝を使っての着地に、地に足を付いた音は軽く消える。
一人進む道を別に取った俺は、迷うことなく駆け抜けた。

続きを読む "キミニネガウ 2   Heiji-1"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キミニ ネガウ Shinichi 9

「…何を言わせたいんだよ」

俺は服部の首筋に顔をうずめながら、抗議をした。

「何て、それはやな…」
「俺だって…」

続きを読む "キミニ ネガウ Shinichi 9"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

キミニ ネガウ Heiji 9

 そんな工藤の問いに、俺はごくりっと息をのんだ。

 真っ直ぐに俺を見る工藤の瞳と。
 俺の手をしっかりと握った、工藤の手と。
 俺の手に軽く触れた、工藤の唇と。
 それらを感じた瞬間『怖い』と、そう思ってしまった。

続きを読む "キミニ ネガウ Heiji 9"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »