キミニネガウ 2 Shinichi-2
「ほな、またな」
そう言って、軽く手を振りながら帰って行った服部の背中を見送った俺は、小さく息をついた。
さっき。
服部は、俺が浮かない顔をしていた、と言った。
あの会話の流れから推測するなら、服部はそんな俺を気にして、ココに来たということだろう。
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「ほな、またな」
そう言って、軽く手を振りながら帰って行った服部の背中を見送った俺は、小さく息をついた。
さっき。
服部は、俺が浮かない顔をしていた、と言った。
あの会話の流れから推測するなら、服部はそんな俺を気にして、ココに来たということだろう。
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「ちゃんとなー。工藤の事考えたんやで」
がさごそとビニル袋から買ってきた弁当を出して、テーブルの上に置いた。
ついっと顔をあげて、キッチンにいる工藤に声をかける。
「何をだよ」
たいして興味無さそうに聞き返した工藤は、いつもの一瞥をくれて、冷蔵庫へ手をかけた。
俺は後を追うように、キッチンへ足を踏み入れる。
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「ったく。なに考えてんだよ、あいつ……」
普通、男相手に、こんな事しねーだろ。
そんな事を思いながら、すっと、梳かれた髪に触れた。
服部の手の感触が、まだ、そこに残っているような気がして、ほんの少し体温が上がった。
くしゃりっと前髪をかきあげた俺は、服部のまがって行った辻をちらりと見やる。
すると、まるでこちらなど気にならないというように、足早に去っていく服部の背中が見えた。
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辺りの気配がざわついた。
複数の足音と声が入り乱れ、静寂を掻き乱す。
走っていた足をぴたっと止め、混ざる気配の動きを探る。
次第に近づきながら集まる音を耳に拾い、再び足を動かした。
転がった何かを、ひらりっと飛び越える。
膝を使っての着地に、地に足を付いた音は軽く消える。
一人進む道を別に取った俺は、迷うことなく駆け抜けた。
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「…何を言わせたいんだよ」
俺は服部の首筋に顔をうずめながら、抗議をした。
「何て、それはやな…」
「俺だって…」
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そんな工藤の問いに、俺はごくりっと息をのんだ。
真っ直ぐに俺を見る工藤の瞳と。
俺の手をしっかりと握った、工藤の手と。
俺の手に軽く触れた、工藤の唇と。
それらを感じた瞬間『怖い』と、そう思ってしまった。
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